未経験のホームヘルパー、またはケアマネージャー、社宅福祉士などがキャリアアップを目指すことは、介護業界全体にとってのプラスとなる。介護制度が本格的にスタートしてから、長い時間が経過しているが、まだまだ道半ばという感が否めないのも介護現場の実態だといわれている。キャリアアップの必要性を訴えるのは、現場の勤務を担う介護職員だけではない。サービス付き高齢者向け住宅や老人保健施設、老人ホームなどの介護施設の責任者やマネージャーにとっても、極めて重要なことだと位置付けられているのだ。時代の変化に伴い、介護職員の果たす役割も大きく変化してきている。その背景にあるのが、高齢化社会の進行による介護ニーズの拡大なのである。
介護施設の現場では、必ずしもマニュアルやテキストの通りに行かないのが実態だ。入所者やその家族からの意向や希望に耳を傾け、臨機応変に対応することが求められる。もちろん、ヘルパーやケアマネージャーにとっては、介護士としての資格や知識、経験を持つことは大事なことであり、自分自身の価値を高めることになることは明らかだ。とはいえ、現場の声や意見に合わせての取り組みができるだけの柔軟性や器用さも大切だといわれている。とりわけ、高齢化が進むに連れて、医療現場との連携は必要不可欠と言っても過言ではない。最低限の医学的知識や対処法、医薬品の飲み合わせや副作用などについては身につけておく必要がある。